膀胱がん(癌)の予防と治療情報
膀胱とは
膀胱の役割は腎臓から送られてくる尿を貯めておく臓器です。
男性・女性の大きさはほとんど変わりません。
腎臓からは尿管で繋がっており、この尿管を通じて送られる尿は1時間に60ml前後で、
ある程度の量が膀胱に溜めてから排尿に至ります。
この膀胱の容量は、成人の大人で400~500mlの大きさがあります。
膀胱がん(癌)とは
膀胱がんは50歳以上に発症することが多く、男性の方が女性より罹り易いがんです。
男性の発症率は女性の発症率の3倍から5倍を超える高い確率です。
膀胱腫瘍の多くは、膀胱の内側にイソギンチャク状に飛び出しています。腫瘍は1つだけのこともありますが、膀胱の中に複数存在することもあります。また内側に飛び出さない上皮内がん(平べったい腫瘍)もあります。
腫瘍には良性と悪性(=がん)がありますが、
膀胱にできる腫瘍は90%が悪性腫瘍(=がん)となっています。
膀胱がん(癌)の初期症状
膀胱腫瘍が見つかる自覚症状は血尿です。 その自覚症状の血尿でも、殆どが痛みが無く症状もない無症候性血尿が大部分です。 この自覚症状の無さが検査を遅らせて、がんの発見を遅らせてしまう原因です。 しかし、 膀胱腫瘍の一つの種類である上皮内癌の場合には、 排尿時の痛み、おしっこの回数が多い、おしっこが近い(頻尿)などの膀胱炎似た症状を訴えることもあります。
- 早期がん・・・1つの癌細胞が30回以上の分裂を繰り返した状態。
- 進行がん・・・早期がんから進行し他の臓器にも転移がみられた状態。
- 末期がん・・・手の施しようがない状態。
膀胱がんに関しての進行がん分類は、
- Tis:上皮内癌
- Ta :癌が粘膜内に限局している。
- T1 :癌が粘膜下まで浸潤しているが、膀胱筋層にはおよんでいない。
- T2 :癌が筋層まで浸潤している。
- T3 :癌が筋層を越えて浸潤している。
- T4 :癌が前立腺、子宮、膣、骨盤壁、腹壁など近接の臓器にまで浸潤している。
膀胱がん(癌)の原因
膀胱がんは、膀胱の内側に出来る悪性の腫瘍で、50才以上の男性に顕著ながんですが、
原因はまだ明確には解明されていません。
しかし、喫煙や薬物、職業などによって膀胱がんの危険度が高くなる傾向は明らかです。
その中でも喫煙者の膀胱がんは、非喫煙者に比べると2~4倍の発生率になるそうです。
その他には、抗がん剤や解熱鎮痛消炎剤などの薬物を投与することで膀胱がんが誘発されるとする説もあります。
また、職業柄、ある特定の化学物質(β-ナフチルアミン、ベンチジンなどの芳香属アミン)が発癌物質としてを扱う仕事に従事している場合、膀胱がんが多く発生することは19世紀の末から疑われており、これらの物質を使用する染料工業の従事者には膀胱がんが多いのでした。今では、発がん性の物質と膀胱がんの関連性が明確になったため使用が禁止されています。