前立腺がん(癌)の予防と治療情報
前立腺がんの治療方法とは
前立腺がんの治療方法は、がんの進行状況によって外科療法、放射線療法、科学療法などががんの状態に合わせて組み合わせられます。
旧来の手術では、睾丸の摘出や前立腺の全摘出を行っていたために、
合併症や性機能の消失が大きな課題となっていました。
しかし、近年では治療技術の進歩によって、
合併症を最小化し、がんの転移や再発予防に対しても備えることができるようになりました。
前立腺がん(癌)の最新治療法
外科療法
前立腺からがん細胞が他の臓器への転移していないことを確認して、
摘出手術によって前立腺を取り除きます。
がんが進行している場合にも、前立腺を全摘出し術後に化学療法と併用することで
根治の可能性は高められます。
近年の前立腺がんに対する手術は患者の負担が大きい開腹を避ける傾向から、
腹部に4~5箇所小さな穴をあけ、腹腔鏡という器具を体の外から操作してがんを切除し取り出す手術法が主流となりつつあります。
腹腔鏡手術は開腹手術に比べて術後の傷が小さいために入院期間も短く、
比較的には患者の体力負担が少ない手術方法ですが、
器具の操作に熟練した技術が不可欠なのがネックです。
前立腺がんの手術で注意するべきは、手術後の合併症です。
前立腺がんの手術には高度な技術が必要なのは、
がん病巣である前立腺を取り除く際に、
前立腺が体の奥にある上に血管が集中していることから出血をし易く、
それが原因で前立腺近傍の神経や筋を傷つけてしまうからです。
特に「尿道括約筋」を傷つけると勃起障害や尿失禁といった合併症が起こり、
患者を悩ませ続けることになります。
つまり、前立腺がんの合併症には、
尿もれ(尿失禁)やインポテンス(勃起機能不全)のリスクがあるのです。
前立腺がんの手術後の尿失禁は殆どの患者が2, 3ヶ月以内に良化するものの、
5~10%の患者はパッドが必要な尿失禁が持続します。
前立腺がんの合併症を避けるための方策としては、
費用が高いものの手術用のロボット「ダビンチ」によって手術を受ける手があります。
2009年現在ではまだ保険適用がなされていないために約70万円の費用負担となるものの、
合併症のリスクが最小化される費用と考えれば妥当かもしれません。
「ダビンチ」が導入されている病院はまだ少ないものの、
今後の導入台数は増加が見込まれ、保険適用されることで一気に普及することが期待されます。
ダビンチによる手術 | 腹腔鏡手術 | 開腹手術 | |
---|---|---|---|
出血量 | 殆ど無い | 少ない | 多い |
合併症リスク | 小さい | ある | ある |
傷の大きさ | 小さい | 小さい | 大きい |
手術時間 | 2~4時間 | 2~6時間 | 2~4時間 |
費用 | 約70万円 | 約8万円 | 約8万円 |
保険適用 | なし | あり | あり |